落胆からのV字回復
全員に連絡を済ませ午後に、公民館に報告へ行くと、職員の男性がK子の表情に気づきます。事情を聞いた彼は、少し考えてから、「今日はバスを出せませんが、公民館の調理室を開放して、有志で買い物支援とレクリエーションをしませんか? 必要なものを聞いてスタッフが買い出しを代行し、受け取りに来てもらうついでに、みんなで早めの夕食を調理して楽しむのはどうでしょう?」と思いもよらない提案をしてくれたのです。
K子はすぐに数名のボランティアへ連絡し、手分けして注文を受け付けることにしました。衛生管理に気を配りながら公民館の調理室にみんなを集め、各家庭の注文分の食材と持ち寄った食材で、カレーを作り食べました。
「本当に助かったよ」「中止だと思ってたから嬉しい」「みんなでわいわい作るのは、テレビで見るキャンプの真似事みたいで楽しい!」と集まったみんなの笑顔に、K子の胸のつかえがすっと消えていきます。
翌月の運行日、「この地域は本当にあったかいね」「ここに住んでてよかった」とバスに乗り込む高齢者達は口々に言いました。
想定外の出来事があっても、支え合う人がいれば乗り越えられる。地域の絆の強さを改めて実感したエピソードでした。
【体験者:60代・女性主婦、回答時期:2026年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Miwa.S
事務員としてのキャリアを積みながら、ライター活動をスタート。持ち前の聞き上手を活かし、職場の同僚や友人などから、嫁姑・ママ友トラブルなどのリアルなエピソードを多数収集し、その声を中心にコラムを執筆。 新たなスキルを身につけ、読者に共感と気づきを届けたいという思いで、日々精力的に情報を発信している。栄養士の資格を活かして、食に関する記事を執筆することも。