子どもが成長し、少し手が離れた頃、「もう一度働きたい」と考える方も多いのではないでしょうか。今回お話を聞いた筆者の知人Aさんも、その一人でした。しかし、10年ぶりに向かった面接で、想像もしなかった空気にのみ込まれることになったといいます。
10年ぶりに決めた社会復帰
結婚後はずっと専業主婦だった私。下の子が小学生になったのをきっかけに、母としてだけではなく、一人の社会人として働きたいと強く思うようになりました。
そこで10年ぶりに社会復帰を決意。思い立ったら即行動とばかりに、毎日必死に求人を検索しました。条件の良い事務パートを見つけ、応募後すぐに面接の連絡が来たときは、胸が高鳴ったのを覚えています。
扉を開けた瞬間、嫌な予感
久しぶりの面接に、私は心臓が飛び出そうなほど緊張していました。当日会社に着くと、会議室のような一室に案内されます。
しかし扉を開けた瞬間、目を疑いました。面接官が6人もずらりと並び、まるで尋問のような光景だったのです。「パートの面接で、どうしてこんなに?」胸の奥がざわつきました。
終始無言でにらむ人、露骨にため息ばかりつく人、私の話も聞かずスマホを操作している人までいる始末。私は居心地の悪さを感じ、働きたいという気持ちが急速に冷めていきました。「この組織で自分らしく働く姿」が、どうしても想像できなかったのです。
圧迫面接で突きつけられた一言
続いて文字入力のテストが始まると、6人のうち3人が私の背後に立ち、画面を覗き込みます。監視されているような圧迫感で、指が思うように動きません。
「こんなに入力が遅いのに、よくうちを受ける勇気あるね」
あきれたように吐き捨てられ、その言葉が胸に突き刺さりました。その瞬間、不採用を悟った私。ただ同時に、「ここなら働けなくてもいい」と心から思えたのも事実です。