親子だからといって、意思の疎通が必ずしもうまくいくとは限らないようです。筆者の友人・M奈は母子家庭に育ちましたが、母親との折り合いが悪く、高校卒業と同時に家を出てしまいました。M奈のちょっと哀しいエピソードをご紹介しましょう。

イジメの原因

私を一人で育ててくれた母と折り合いが悪くなってしまったのは中学生のときです。
学校でイジメられていたことが先生から母に伝わったことがきっかけでした。

私は母に心配をかけたくなかったため、学校での出来事はずっと黙っていました。
イジメの原因はお金がないこと。
「貧乏人!」と周囲からイジメられていたのですが、私は母が一生懸命働いてくれていたことを知っていたので、イジメられていることを言えなかったのです。

母の言葉

先生から事情を聞いた母は「お金がないからイジメられてるんでしょ?」と聞いてきました。
私は「違うんじゃない?」と答えたのですが、母は「ハァ~」と大きなため息をつき、こう言いました。

「やっぱり産まなきゃよかった」

この一言に私は大きなショックを受けました。
当時の私には、自分の存在そのものを否定されたように感じられ、母との間に修復しがたい距離を感じてしまったのです。

聞かされた真実

私は高校卒業と同時に就職し、家を出ました。
しかし、私が家を出てから数年後、母は交通事故で急逝。
葬儀が終わり、遺品の整理をしているとき、叔母(母の妹)が「話がある」と言ってきました。

叔母曰く、母とは頻繁に連絡を取り合い、お互いの近況報告や相談事などを話していたとか。
その中で、私のイジメのことについて「お金のことが原因なんだと思う」と言ったそうです。

叔母は「お母さんは婚約していた男性に捨てられちゃったんだけど、そのときにはあなたがお腹の中にいたの。家族はみんな出産に大反対だった。それでもお母さんは「産みたい」と言ってあなたを産んだのよ。経済的には本当に大変だったけど、実家を頼ることもできないから、一人で頑張っていたの」と教えてくれたのです。