筆者の話です。結婚準備の買い物を、母と二人で進めていました。
父は普段いっしょに買い物に行かないし、気にしない人だと思っていたのに。
あとから知った父の「行くつもりだった」が、ずっと胸に残ります。

行くつもり

ところが後日、父がひどくすねていることを知りました。
口数が減り、こちらを見ようともしない様子。
「お父さん、本当は一緒に行きたかったみたいよ」という母の言葉を聞いて、やっと腑に落ちました。
私は「普段そうじゃないから」と片づけていたのに、父の中では、娘の結婚は別の話だったようです。

大きな金額の買い物で、娘が一生使うかもしれない大切な家具を、実際に並んで見てみたかったのだと、あとから知りました。
父の期待と私の思い込み。その温度差に気づいた瞬間、喉の奥がきゅっと詰まるようで、言葉が少し遅れました。

声をかける

その出来事をきっかけに、私は「今度これを買いに行くけど、どう?」「衣装合わせだけど来る?」と、父にも声をかけるようになりました。
すると父は、面倒そうにしながらも予定を確認してきたり、当日は少し落ち着かない様子で準備をしていたり。
父は雑事が嫌いな人だと思っていましたが、娘の結婚準備は、決して『雑事』ではなかったのだと知りました。
「きっと興味がないだろう」と決めつけず、まずは一度、聞いてみればよかった。
父のすねた姿を思い出すたび、気づくのが遅れたことを少し反省しながら、同時にうれしい気持ちも残っています。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2026年2月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。