筆者の話です。
結納が終わったあと、母がぽつりとこぼした一言が、なぜか心に残りました。
その言葉の意味を知った時、私はある行動を選びます。
結納が終わったあと、母がぽつりとこぼした一言が、なぜか心に残りました。
その言葉の意味を知った時、私はある行動を選びます。
結納の日
結納が終わったあと、母は飾られていた結納品の前に座り、中身を一つひとつ丁寧に確認していました。
のし紙や飾り、細かな道具を、指先で確かめるように静かに手に取り、並べていきます。
途中で母の手がふと止まりました。
白い麻糸を白髪に見立て、夫婦が共に白髪になるまで仲良く暮らせるよう願いが込められた「友白髪(ともしらが)」と呼ばれる縁起物の人形でした。
静かな違和感
母はその人形を見つめたまま、しばらく何も言いませんでした。
人形から視線を離さず、しばらく何も言わずにいた母の横顔は、懐かしむようで、どこかいとおしむような表情。
私は隣でその様子を見ながら、なぜ母が自分の結納の話をあまりしなかったのかを、ぼんやり考えていました。
特別に避けていたわけでもなさそうなのに、話題にのぼることがほとんどなかったことを、その時改めて思い出したのです。