終わらない「名もなき家事」
レジ袋から次々と現れたのは、肉、肉、肉……。鶏もも肉3キロに、豚バラ大パックが5つも。
極めつけに、巨大なブリの半身まで!
キッチンの作業スペースを埋め尽くした食材を前に、私は明日への活力を奪われていくのを感じました。
「安かったから買い込んできたよ。しばらくはこれで食いつなげるぞ!」と鼻高々の夫。
でも彼は知らないのです。
これらを小分けにし、下味をつけて冷凍庫にしまう「名もなき家事」の過酷さを……。
結局その夜、私は山のような肉や魚の処理に格闘する羽目になり、気づけば深夜。
冷凍庫はぎゅうぎゅう詰めで、もともとそこに入っていた保冷剤を外に追い出す始末でした。
丸投げして伝わった真実
「安く買えるのは嬉しい。でも、私の手間はタダじゃないんだよ」
我慢できず怒りをぶつけた私に、夫は「せっかく協力したのになんで怒るんだ」と不満げな様子。
そこで私は次の買い出しの時に、今度は夫に食料の下処理作業を丸投げしてみることに!
すると、開始1時間もたたずに「うわ、これめちゃくちゃ大変なんだな……」という夫の悲鳴が聞こえてきました。
実際に手を動かして初めて、「買ったあと」の負担が分かったのでしょう。
これを機に、我が家では夫が食材の在庫管理を担当することになりました。
アプリなどを使って情報共有もしていますが、何より変わったのは、夫がスーパーで『これ、小分けにするの大変かな?』と私の顔を思い浮かべてくれるようになったことです。
連携プレーで最も大切なのは「想像力」
今では、夫は特売品を見つけても、量が多いときは必ず確認の連絡をくれるようになりました。
家事の連携プレーで最も大切なのは、時間的な効率や価格の安さではなく、その先の工程まで思いやる「想像力」なのかもしれませんね。
状況を把握し、お互いの手間を想像し合うこと。
その大切さを共有できたことで、今では無駄なイライラも減り、計画的な買い物を楽しめるようになっています。
【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2026年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。