これは筆者の体験談です。管理栄養士として20年以上仕事をしてきた中で、今でも忘れられない面談があります。10年前、ある企業で特定保健指導のために個別面談を担当した時のことです。対象者10名の最後の一人。それは、一言も話さず拒絶的な態度の男性。そして5年後、その男性の「その後」を知り、私は言葉を失いました──。
健康指導の現場では、「拒絶」は珍しいことではありません。しかし、その裏には怖さ、否認、忙しさ、そして「自分だけは大丈夫という思い込み」が隠れていることがあります。
あの時、もっと違う関わり方ができたのではないかと思う気持ちは、今も消えません。けれど、人が変わるタイミングは本人にしか決められないものかもしれません。
私にできることは、目の前の一人一人に、その人の背景を想像し、向き合い続けることだけです。彼のような後悔を抱える人が、一人でも減るようにと──。
【体験者:50代・筆者、回答時期:2025年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
Illustrator:大葉みのり
FTNコラムニスト:藍沢佑菜
管理栄養士の資格を持つ、2人の自閉症男子のママ。自身の育児環境の変化をきっかけに、ライター活動をスタート。食と健康を軸に、ライフスタイル全般のコラムを得意とし、実体験に基づいたリアルな記事を執筆中。専門的な情報を「わかりやすく、すぐに日常に取り入れられる形」で伝えることが信条。読者の「知りたい」に寄り添い、暮らしを整えるヒントを発信しつづけている。