深夜のインターホンに出ると、そこに立っていたのは見知らぬタクシー運転手。酔って帰宅できなくなった父をわざわざ送ってきてくれたのです。筆者の友人が体験した、人情エピソードをご紹介します。

深夜のピンポン

深夜、突然インターホンが鳴りました。
「お父さんかな?」と、軽い気持ちでドアを開けました。
ところが、立っていたのは父ではなく、タクシーの運転手さんでした。
「お客様がタクシーの中で眠ってしまわれて、声をかけても起きないんです」
と言います。

タクシーでぐっすり眠る父

「どうして家が分かったんですか?」
思わず聞くと、運転手さんは少し申し訳なさそうに、しかし父を案じるような表情で答えました。
「以前も同じ時間に同じ場所からご乗車いただいたことがありまして、その際、こちらのお宅に入られるのをお見かけしたので、もしやと思いお声がけに伺いました」
「夜分に突然すみません、緊急事態だったもので……」

謝るのはこちらの方です。
泥酔し、業務に支障をきたしてしまった申し訳なさと、何より父を路上に放置せず、最善を尽くしてくださったことへのありがたい気持ちしかありませんでした。