この話は、筆者のママ友Mさんから聞いた体験談です。Mさんの息子、A君は自閉症を持ち、感覚過敏があるため、普段の服選びにいつも苦労しているそうです。卒園式を控え、A君にスーツを着せてあげたいという気持ちを抱えながらも、思いがけない問題に直面することになりました。どのような選択をしたのか、Mさんの心の葛藤とその後の結末をご紹介します。

感覚過敏でスーツを着られない、、、

小学校の卒園式を控えたある日、ママ友のMさんが心配そうに話し始めました。「実は、息子が卒園式のスーツを着られなくて……どうしたらいいのか悩んでいるの」と言うのです。Mさんの息子のA君は、自閉症スペクトラムの特性があり、肌に触れる感覚がとても敏感です。普段から服の素材選びには一苦労していて、卒園式用のパリッとしたシャツや硬い生地のスーツは、彼にとって耐え難い苦痛を伴う「鎧」のようなものでした。

卒園式にスーツを着せたい

「卒園式くらい、みんなと同じようにカッコいい姿で出席させてあげたい」
Mさんのその願いは、親としてごく自然なものでした。何度も試着を試み、家で少しずつ慣らそうと努力もしました。
しかし、袖を通した瞬間に顔をゆがめ、パニックを起こして泣き叫ぶA君。その反応を見て、Mさんはどうすればよいのか悩んでいました。
(一生に一度の晴れ舞台なのに。でも、あんなに苦しんでいる子に無理をさせてまで、着せる意味はあるのかな……?)
周りの目を気にする気持ちと、A君の心地よさを大切にしたい気持ちが交錯し、Mさんはその判断に苦しみました。