家族の危機に背を向け続けた夫に対し、私が突きつけた「毅然とした対抗策」とは。
向き合うための決断
やっとの思いで長男を連れて帰宅すると、家の中から激しい物音が聞こえます。
急いで中に入ると、次男が私の持ち物を勝手に持ち出し、危うく怪我をしそうな場面でした。
「ちょっと! これ、勝手に触っちゃダメでしょ!」
本来なら夫が気づくべき状況ですが、室内の見守りカメラを確認すると、夫は相変わらず自室から出てくる気配もありません。
私は、夫の部屋のドアを開けました。
そこには、案の定、布団でニヤニヤしながらスマホを触っている夫の姿がありました。
「何やってるの?」
「え? ああ、ちょっと休憩」
「仕事が入ったから、長男のお迎えを代わってくれって言ったよね? 仕事はどうしたの?」
「ああ、実は、仕事キャンセルになったんだ」
悪びれもせず言い放つ夫に、私の堪忍袋の緒が切れました。
「ふざけるな!」
「私は朝から雪かきをして、通院に付き添って、クタクタなの! 私が雪の中でお迎えに行っている間、家で次男が危ない目に遭いそうだったのに、それを放置して布団でゲームをしてるなんて、あんまりだよ!」
私が取り上げた夫のスマホ画面には、ゲームアプリが開いたままでした。夫は何も言い返せなくなりました。
家族としての再スタート
私は夫に、明確なルールを突きつけました。
「仕事が予定通りなら尊重するよ。でも、今回みたいに状況が変わったのに黙ってゲームをするのはやめて。私が外出している間、もし仕事が空いたのなら、まずは子供たちの安全確認を最優先にして」
「わかったよ」
夫は渋々頷きましたが、私はさらに続けました。
「もし次、同じように家族を放り出すなら、Wi-Fiの契約も含め、あなたが家で仕事に集中できるように私が協力することも、もう限界。それくらい、今の状況は家族として危機的なんだと分かって」
私の本気度が伝わったのか、ようやく事の重大さに気づき、「すまなかった」と夕食の準備を手伝い始めました。
毅然とした態度でこちらの限界を伝えたことで、夫の中に『休憩中だから関わらなくていい』という甘えがあったこと、そして私がいかに孤独だったかに気づいてもらえたようです。
完璧な解決ではないかもしれません。これからも何度も話し合いが必要でしょう。それでも、子供たちの安全を一人で背負うのではなく、二人で守り抜く。その当たり前の、けれど最も大切な約束をようやく交わせた気がします。
【体験者:50代・筆者、回答時期:2026年2月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:藍沢佑菜
管理栄養士の資格を持つ、2人の自閉症男子のママ。自身の育児環境の変化をきっかけに、ライター活動をスタート。食と健康を軸に、ライフスタイル全般のコラムを得意とし、実体験に基づいたリアルな記事を執筆中。専門的な情報を「わかりやすく、すぐに日常に取り入れられる形」で伝えることが信条。読者の「知りたい」に寄り添い、暮らしを整えるヒントを発信しつづけている。