卒業式は、子どもだけではなく親にとっても大きな節目ですが、当日は準備や段取りに追われて意外とバタバタ過ごしてしまうもの。それでも、ふとした瞬間に、子どもの確かな成長を実感することもあるはずです。今回は、筆者の友人の体験談をお届けします。

一気に蘇った記憶

小学校に入学したばかり頃の娘は、ぶかぶかの制服に着られているようで、朝の支度もいちいち時間がかかっていました。
ランドセルを背負うたびに「重いよ~!」と泣き言を言っていたものです。

でも、今ではそのランドセルが、娘の背中に対して少し小さく見えるほど。
毎朝玄関で送り出し、「無事に帰っておいで」と願い続けた6年間。
短いようで長い日々の重み。

その瞬間、ようやく私の心の中に「あ、本当に卒業なんだ」と実感が押し寄せました。

遅れてやってきた涙に、娘は……

じわじわと込み上げる想いに、気づけば私はポロポロと涙をこぼして泣いてしまっていました。

「えっ、今さら泣くの?」と娘には笑われましたが、私にとっては帰り道のこの時こそが、最も感極まる瞬間だったのです。

式の間、泣かなかった自分にどこか寂しさを感じていたけれど、この涙でようやく私の6年間も報われた気がしました。
卒業の余韻は、ゆっくりと、でも確実に心に染み込んでいくものなのかもしれませんね。

【体験者:40代・女性パート従業員、回答時期:2026年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。