真面目に続けていれば、いつか報われる。そう信じて働いてきたはずなのに、現実は思うようにいかないこともあります。特に環境の変化が多い春先は、心が追いつかなくなる瞬間もあるものです。今回は、筆者の友人の体験談をお届けします。
突きつけられた「派遣切り」の現実
年明けの面談で、派遣先の上司から「4月からの契約は更新できない」と告げられました。
40代、特別な資格はありませんが、それでも任された仕事には誰よりも誠実に向き合ってきたつもりです。
「このまま真面目に頑張っていたら、もしかしたら社員登用もあるのでは」という期待が全くなかったかというと嘘になります。
それだけに、「契約終了」という冷淡な言葉を突きつけられた瞬間、頭の中が真っ白になりました。
最後まで誠実に
帰りの電車の窓に映った自分の顔は、思った以上に疲れ切っていて、思わず目を伏せました。
この年齢でまた職探し?
再就職できる保証なんてどこにもないのに……?
情けなさと将来への強い不安で、不意に涙がこぼれそうになるのを必死でこらえるしかありませんでした。
けれど、一晩泣いて迎えた翌朝、私は心に決めました。
「惨めなまま終わりたくない。最後くらいは、誰が見ても完璧な仕事をして去ろう」
誰が見ているわけでもない、派遣の事務仕事かもしれない。
でも、契約を切られたからといって、いいかげんに終わらせるようなことはしたくありませんでした。
それは、自分なりの意地だったのかもしれません。