誠意のないスタッフの返答に唖然
しばらくして部屋にやって来たのは、フロントの男性スタッフ。
私が「禁煙ルームのはずなのに、タバコの臭いが気になって……」と言うと、明らかに面倒くさそうな様子です。
そして、部屋を詳しく確認する様子もなく、信じられない言葉を口にしました。
「これくらい普通ですよ。消臭スプレーの残り香を勘違いされているのでは?」
クレーマー扱いされたような態度に、私は呆れを通り越して悲しくなりました。
決して安くない宿泊料を払い、楽しみにしていた時間を「勘違い」の一言で片付けられたことが、何よりショックだったのです。
プロの対応
私は深呼吸して、「私には喘息の持病があり、このままでは宿泊できません。責任者の方とお話しさせてください」と静かに伝えました。
数分後に現れたマネージャーらしき男性は、入室するなりすぐに異変を察知したようでした。
そして、「お客様の仰るとおり、タバコの臭いがいたしますね。前日の宿泊者がルールを破って喫煙していた可能性があります。大変申し訳ございません!」と謝罪してくれたのです。
マネージャーはすぐに別フロアの広い部屋へ案内してくれました。
結果的に部屋もアップグレードされ、ホテルとしての誠意ある対応に、救われた思いでした。
残ったのは言葉のトゲ
しかし、物理的な問題は解決したはずなのに、最初のスタッフから投げつけられた「普通ですよ」という冷淡な言葉だけは、チェックアウトまで胸の奥に刺さったままでした。
ホテルの不備そのものよりも、「自分の感覚を否定されたこと」へのモヤモヤとした気持ち。
けれど同時に、納得できない時こそ感情をぶつけず、「誰に、どう伝えるか」を冷静に選ぶ大切さも学びました。
『このくらい、我慢すべき?』……そんなふうに自分を疑ってしまう気持ちは、誰にでもあるものです。
もちろん、何でも言えばいいという話ではありませんが、正当な対価に対して、心地よさを求める権利はあるのではないでしょうか。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。