初めて義母に伝えた本音
次の週末、義実家での昼食会。
義母が「これ、K太の好物でしょ」と油たっぷりの唐揚げを出してくれました。
いつものようにA子は「ありがとうございます」と受け取るつもりでしたが、手が止まりました。
「お義母さん、あの……ひとつだけ言ってもいいですか?」
義母が驚いた顔を向ける中、A子は続けました。
「私たちの家のことは、私たちのやり方で決めたいんです。お義母さんの教えも大切に思ってます。でも、私も母として、私たちの家族に合った形を作っていきたいんです」
静まり返る食卓。夫も言葉を失っていました。
しかし、義母は少しの間黙った後、小さく笑いました。
「そうね、もう、あなたたちの家庭なのよね」
変わった義母と、変われた私
その日を境に、義母は少し距離を取るようになりました。 物理的な距離ではなく、心の境界線を尊重してくれるようになったのです。
「この間のおかず、美味しかったわ」と、以前とは違う穏やかな口調で話してくれるようになったのです。
夫も、「A子、あのときよく言ったね。俺も人任せにしすぎてたよ、ごめん」と自分の非を認め、歩み寄ってくれるようになりました。
我慢することが“優しさ”だと思っていたけど、本当の優しさは“伝えること”なのかもしれないと思いました。
義実家との関係は完璧ではないけれど、確実に前進しました。
“言えない嫁”を卒業したA子が見つけたのは、家族としての新しい形でした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:池田みのり
SNS運用代行の職を通じて、常にユーザー目線で物事を考える傍ら、子育て世代に役立つ情報の少なさを痛感。育児と仕事に奮闘するママたちに参考になる情報を発信すべく、自らの経験で得たリアルな悲喜こもごもを伝えたいとライター業をスタート。