今回は、筆者の知人A子さんのエピソードをご紹介します。
A子さんは、娘さんの幼稚園の謝恩会のために、卒園ムービーを制作することになりました。しかし謝恩会当日、卒園ムービーを見た他のママから信じられないことを言われてしまったのです──。

ママさんの発言

迎えた謝恩会当日、なんとか完成させた卒園ムービーが上映された後、ママさん同士で雑談していました。すると、あるママさんが「卒園ムービー、うちのパパにお願いしても良かったなー」と笑いながら言うのです。

なんでも、その方の旦那さんは映像系のお仕事をしていて、動画制作はプロなんだとか。「まぁ、さっきのも手作り感があって良かったけどね」という、悪気がないようにも取れる、でもどこか比較するような言い方に、私は言葉を失ってしまいました。

悪気はないのかもしれない、けれど、明らかに自分の夫のプロの技と比較し、私を格下に見るような言い方。係を決める場で誰も手を挙げなかったために引き受けた私が、初心者なりに時間を削って取り組んできたことへの配慮が、その言葉からは微塵も感じられませんでした。

ショックを受けた

「……あ、ありがとう。プロの方なら、もっとすごかっただろうね」
私は引きつった笑顔で返すのが精一杯でした。結局その場は、他のママさん達が「ムービーすごく良かったよ! ありがとう!」と笑顔で声をかけてくれ、温かい雰囲気の中で別の話題にうつりました。

しかし、その日帰宅してからも、そのママさんの発言や言い方を私は引きずっていました。
「先生たちは喜んでくれるかな」「子どもたちも楽しく見てくれるかな」と心を込めて取り組んでいた時間を否定されたような気がして、しばらくは落ち込んでしまいました。

それ以来そのママさんとは距離を置くようになり、卒園してからは一度も会っていません。ただ、この一件を振り返るたび、周りのママさんたちがかけてくれた励ましの言葉の有り難みが身に染みます。良好な人間関係を築くために何より大切なのは、技術の高さではなく、相手への「想像力」なのだと、身をもって感じた出来事でした。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Emma.I
長年人事業務に携わり、働き続ける人々の本音や葛藤に触れてきたライター。
現在は仕事や自身の育児を通じて得た経験を元に、誰かの心に寄り添い、クスッと笑えるエピソードを執筆中。特に、女子中高出身者の視点やグローバル企業出身者の視点からの記事を得意とする。