友人Aの話です。
義実家の用事で呼ばれるたび、帰れなくなっていた夫。
「30分したら連絡して」という一言が、思いがけない変化を生みました。

呼び出し

「ちょっと来てほしい」
玄関別の二世帯住宅で暮らすAは、義母からそう声をかけられることが増えていました。

義実家はすぐ下にあり、行こうと思えばすぐに行ける距離です。
専業主婦で日中自宅にいる時間が長いAが対応することが多く、家事の手を止めて向かうのが、いつの間にか日常になっていました。
特に義父が亡くなってからは、その頻度が目に見えて増えていたのです。
以前は週に一度ほどだった呼び出しが、いつの間にか数日に一度になっていました。

帰れない

呼ばれて行ってみると、頼まれた用事ははっきりしないまま。
用事らしき事柄が終わっても、気づけば昔話や近所の話が続き、Aは何度も壁の時計に目をやるほどです。
途中で止めた洗濯物のことが、頭から離れません。
「そろそろ戻らないと」と思っても、一人で寂しそうにする義母を前に、話の流れを切るきっかけがつかめず、立ち上がるタイミングを逃してしまいました。

「ごめんまだ夕飯できていないの」
帰宅した夫にそう言うと、最近では、様子に気づいた夫が代わりに義母のもとへ行くようになりました。
ところが今度は、夫自身がなかなか戻ってこず、帰宅すると靴下も脱がないまま、どっと疲れ果てた様子でソファに腰を下ろす日もあったのです。