筆者が子どもの頃、友達の家の立派な七段飾りを見て、羨ましく思っていました。
しかし、ある大人のひと言で、その価値は少しずつ変わっていきます。
大人になって気づいた、思い出の雛飾りに込められていた本当の贅沢とは。
しかし、ある大人のひと言で、その価値は少しずつ変わっていきます。
大人になって気づいた、思い出の雛飾りに込められていた本当の贅沢とは。
価値観をひっくり返した、大人のひと言
そんなある日、母の友人が遊びに来ました。
手作りのお雛様を見るなり、声をあげたのです。
「すごーい! ステキステキ!」
「最高じゃん! こんなに愛情のこもったお雛様、初めて見たよ」
「あなた、幸せねぇ」
子どもだった私は、きょとん。
━━そうなの?
「世界にひとつしかないのよ。すごく貴重なの」
「お母さんに感謝しないとね」
たしかに……そうかもしれない。
その瞬間、胸の奥が少しチクッと痛み、あのとき文句を言った事を、少し後悔しました。
本当に贅沢だったのは、飾りではなく時間
今ならわかります。
毎年、母が試行錯誤しながら作ったお雛様には、時間と手間と、たっぷりの愛情が詰まっていました。
世界にひとつしかないお雛様は、私にとって一番贅沢な雛飾りでした。
今でも雛祭りの季節になると思い出す、少し切なくてあたたかいエピソードです。
【体験者:50代・筆者 回答時期:2026年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒヤリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:大下ユウ
歯科衛生士として長年活躍後、一般事務、そして子育てを経て再び歯科衛生士に復帰。その後、自身の経験を活かし、対人関係の仕事とは真逆の在宅ワークであるWebライターに挑戦。現在は、歯科・医療関係、占い、子育て、料理といった幅広いジャンルで、自身の経験や家族・友人へのヒアリングを通して、読者の心に響く記事を執筆中。