義実家で過ごす時間のなか、いつの間にか「察して動く役」を引き受けていた私。
先回りをやめたとき、義実家との距離が少し変わりました。
言えない空気
会話がひと段落すると、不思議と場の空気が変わります。
急に話題が切れ、静かな間が流れるのです。
その沈黙のなかで「使いますか」「買いましょうか」と、こちらから言わなければいけないような雰囲気が漂います。
欲しいと言われていない以上、差し出さなくてもいいはずなのに、何も言わずにいると自分が冷たい人間であるかのように思えて気まずい。
すると、夫が「買ってこようか?」と何気なく返したりします。
ですが、実際に手配したり買いに走ったりするのは、結局私。
義実家を出た途端、ため息が漏れます。
夫の無邪気な優しさが、結果として私の負担になる構図。
察して動く役を、いつも嫁が引き受けている。
そう思った瞬間、胸の奥に、言葉にしにくい重さが残りました。
先回りしない
押しつけられているわけではありません。
それでも、言葉にされない期待に応え続けることに、少しずつ消耗していたのだと思います。
最近は「かわいいでしょ?」「便利なんですよ」と笑顔で返すだけにしています。
それ以上、先回りしない。
そう決めたことで、自分と自分の持ち物を守れている気がしました。
空気は、相手だけでなく、自分の立ち位置でも変えられる。
義実家との距離を、静かに調整しながら、今はそう感じています。
【体験者:50代・筆者、回答時期:2026年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。