明かされた家庭の状況
気になったN菜は、連絡ノートにT子ちゃんの様子を書いてみることにしました。「最近、お昼寝の際に先生の足元に顔を近づけて眠ることがあります」と。
T子ちゃんのママは、第二子を出産したばかり。パパが仕事の合間を縫ってお迎えに来る、多忙な毎日を送るご家庭でした。
数日後、ノートにはT子ちゃんのパパから丁寧な返事があり、「実は家では、私が家事をしながら足先でT子をくすぐったり、触れ合ったりして遊ぶことが多くて……」と切実な親心が綴られていました。仕事、掃除、洗濯、食事の準備に追われる中、「手がふさがっていても、一分一秒でも多く娘と触れ合いたい、寂しい思いをさせたくない」という一心で、家事の手を止められない時間は、足を使ってT子ちゃんとコミュニケーションをとっていたのだそうです。
T子ちゃんにとって、足元は大好きなパパと触れ合える、温かくて安心できる場所。その感覚が、園でのお昼寝にも表れていたのでした。謎が解けてスッキリしたN菜。「お父さんも、手が塞がるほど忙しい毎日の中で、必死に愛情を伝えようとしていたんだな」と感じました。
「一般的な遊び方ではないかもしれないけれど、そこには確かな親子の絆がある」。子どもの行動は、日常の積み重ねの写し鏡。大人が思う以上に、子どもは周囲の愛情を、その子なりの形で正直に受け取っているのだと実感したエピソードでした。
【体験者:30代・女性保育士、回答時期:2025年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Miwa.S
事務員としてのキャリアを積みながら、ライター活動をスタート。持ち前の聞き上手を活かし、職場の同僚や友人などから、嫁姑・ママ友トラブルなどのリアルなエピソードを多数収集し、その声を中心にコラムを執筆。 新たなスキルを身につけ、読者に共感と気づきを届けたいという思いで、日々精力的に情報を発信している。栄養士の資格を活かして、食に関する記事を執筆することも。