キッチンから聞こえてきた、まさかの声
ところが、しばらくすると、意外にも楽しそうな声がキッチンから聞こえてきたのです。
夫は「ほら見て、豪華ラーメンだぞ!」と、凝ったトッピングのラーメンを作り始め、息子は残り物で見事なチャーハンを調理。
娘は、普段あまり食べないカップ麺に、ウキウキしながらお湯を注いでいる様子。
私が「母親の役割」を一旦お休みしたことで、家族の中に“自分でやるのが当たり前”という空気が生まれたのでしょう。
さらに、実際に自分で動くことで、「ママは毎日こんな段取りをしてくれてたんだね。大変だね」という言葉まで聞くことができました。
家事の大変さを言葉で説明するのではなく、体験として共有できたことは、私にとって何より嬉しい変化でした。
こんな「団らん」もいいのでは?
それからというもの、週末の夜は、今までとは違う新しい家族団らんの時間になりました。
お互いの料理をシェアしたり、「上手にできてるね」「これおいしい!」と、ワイワイ感想を言い合ったり。
思春期で口数が少なくなっていた子どもたちとの会話も、「料理」という共通の作業を通じて自然と増えました。
たとえメニューがバラバラでも、栄養バランスが多少偏っていても、家族が笑顔で食卓を囲めることのほうが大切なのだと、気づくきっかけになった出来事です。
【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2025年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。