習い事の先生が教えてくれた娘の素顔
そんな娘ですが、ある時のこと。
同じ習い事の高校生の先輩に、
「こういう時はどうしたらいいんですか?」
「今度試験があるんですけど、面接では何を聞かれますか?」など、質問をしていたそうです。
私は、それを習い事の先生から聞きました。
私の言う事などひとつも聞かない娘ですが、必要な情報は自分から取りに行っているんだなと、少し安心しました。
「それ、お母さんも言ったじゃん!」を飲み込む私
ある日の夕食の時のこと。
「あのね、面接の時は、ドアを開ける前に一回深呼吸するといいんだって。あと、わからない質問が来たら、黙り込むんじゃなくて『少し考えさせてください』って言えばいいらしいよ」
と、娘が言ったのです。
それはまさに、私が以前何度も伝えたことでした。
「それ、お母さんも言ったじゃん!」
という言葉が喉元まで出かかりましたが、グッと飲み込みました。
重要なのは「誰が言ったか」
思春期の娘にとって重要なのは、「正しい情報かどうか」ではなく、「誰が言ったか」。
親ではなく友人でもなく、今の自分に近い目線で、少し先を行く「憧れの先輩」という心強い存在。それが、今の娘には一番響くのだと痛感しました。
「へえ、その先輩、すごいね。いいこと教えてもらったね」
私がそう言うと、娘は「でしょ? やっぱり経験者は違うよね」と得意げに笑いました。
親の言葉は届かなくても、外の世界で自分なりに導き手を見つけているのでしょう。もう、私が手取り足取り教える時期じゃないのかも? と、娘の成長を感じた出来事でした。
【体験者:50代・女性会社員、回答時期:2025年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。