「帰りが遅くなっても、下級生のために電車を降りてトイレに付き添う」。そんな小6の娘の行動に、私は「それは親の仕事でしょ」とモヤモヤしていました。娘がそこまでする理由は、単なるお人好しではなく……? 友人が体験談を語ってくれました。

「私が3年生のころ、ひとりで電車乗ってておなか痛くなったとき、誰も助けてくれなかったでしょ。今は私がいるんだから、いいんだよ」

娘は、ただAちゃんのお世話をしているわけではなく、あのときの心細かった自分を思い出していたのです。

「Aちゃん、トイレから戻ってくると『ありがとう! Bちゃん(娘)がいてくれてよかった』って言うの。それ見ると、まあいっかーって思うんだよね」

私はそれまで心の中で、大人の正論を振りかざしていました。

でも、娘の世界では、もっと純粋な先輩としての責任感や共感が動いていたのです。

大人の正論よりも大切なことに気づいた日

もちろん、帰りが遅くなるのは心配です。

私は、

「本当に困ったときは駅員さんや自分の親に頼ること」
「遅くなるときは必ず私に連絡を入れること」
「一人きりになるような場所へは行かないこと」

という新しいルールを決めました。

これまでは「損な役回りを引き受けている」ようにも見えていた娘の行動。でもそれは、強くて優しいお姉さんになった証拠なのでした。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年12月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。