「公平さ」が失われる瞬間
併用許可の理由を聞くと、これがまた分かりやすいのです。もめたくない、時間がかかる、長年通っているお客さんだから。
こうして、ネットクーポンとスタンプは併用OKとなり、その瞬間、さっきまで説明していた私たちは、なんとも言えない気まずい立場になるのでした。
お客さんの表情は、「ほら、やっぱり使えたじゃない」と言わんばかり。
一方で、きちんと説明を読んで、何も言わずに割引を一つだけ使ったお客さんは、そのまま定価に近い支払いです。
「声を荒らげた人」だけが得をする。その構図に、スタッフの中で小さな違和感が積み重なっていきました。
店長が背負った、大きな代償
そんなある日、店舗に来て割引の対応を見たエリアマネージャーは、説明のバラつきに気づきました。実は以前から、帳簿上の数字とルールの不一致が指摘されていたようです。過去の処理も含めて、すべての履歴に確認が入りました。
そしてなんと、本部からも問題視されていた店長は、即座に異動になったのです。
ああ、やっぱり見ている人は見ていたんだな。
「もめたくない」「めんどくさい」
その場を楽にする不誠実な判断が、いちばん大きな代償を生んだ出来事でした。
【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2026年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:大空琉菜
受付職を経て、出産を機に「子どもをそばで見守りながら働ける仕事」を模索しライターに転身。 暮らしや思考の整理に関するKindle書籍を4冊出版し、Amazon新着ランキング累計21部門で1位に輝く実績を持つ。 取材や自身の経験をもとに、読者に「自分にもできそう」と前向きになれる記事を執筆。 得意分野は、片づけ、ライフスタイル、子育て、メンタルケアなど。Xでも情報発信中。