筆者の話です。姉の彼からの電話を受けた私。名乗りもせずに姉の名前を呼び捨てするような彼に、「しつけが悪い」と非難されました。医学部生で裕福な実家を持つ彼に夢中の姉。しかし幸せの絶頂の婚約後、彼の本性が露わに……!

露わになった本性

数年後、姉は大学を卒業し彼も医師の国家試験に合格。二人は婚約することになりました。

正式に婚約が決まり、姉は一見幸せそうでしたが、ある日、ふと浮かない顔をしていました。

「どうしたの?」私が聞くと、姉は小さな声で言いました。

「彼が『どうせ、式のお金は俺の家で払うんだから、文句言うな』って言ってきた」

「それ、嫌な言い方だね」

「そうなの。私の家を見下しているような言い方で、モヤモヤする」

それから、毎週のように姉に会いに来ていた彼が、ぱったりと来なくなりました。

電話越しでも、姉と彼が口論している様子が聞こえてきました。

「だから、そういう言い方やめてよ!」

「何が悪いんだよ! 事実だろ!」

姉の声は、日に日に疲れていきました。

そして数ヶ月後、姉は「婚約を取りやめることにした」と私や両親に報告したのです。

「彼は私のこと見下してたみたい。対等なパートナーじゃなくて、自分より格下の存在としてしか見ていなかったんだって気づいたの」

姉は寂しそうでしたが、どこか清々しい顔をしていました。

衝撃の結末

それから数週間後。

私が家でテレビを見ていると、母が驚くべき話をしてきました。

「ねえ、A子の彼のお父さんが、事業が失敗して多額の借金を背負ったんだって」

「えっ。じゃあ、あの『裕福な家』っていうのも……」

私と母は、顔を見合わせました。

あれほど自慢していた「裕福な実家」という背景も、当時はすでに崩れかけていたのかもしれません。

もし姉が婚約を続けていたら、今頃は大変なことになっていたでしょう。

姉は「お金」や「肩書き」ではなく、「自分を大切にしてくれるかどうか」という直感を信じて、勇気ある決断をしたのでした。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2026年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:藍沢佑菜
管理栄養士の資格を持つ、2人の自閉症男子のママ。自身の育児環境の変化をきっかけに、ライター活動をスタート。食と健康を軸に、ライフスタイル全般のコラムを得意とし、実体験に基づいたリアルな記事を執筆中。専門的な情報を「わかりやすく、すぐに日常に取り入れられる形」で伝えることが信条。読者の「知りたい」に寄り添い、暮らしを整えるヒントを発信しつづけている。