筆者の話です。結婚して数ヶ月、義母から食事の誘いを受けた私。「行かないでいい」と忠告する夫を振り切って出かけると、2時間にわたる愚痴が待っていました。そして会計の瞬間、義母が笑顔で私に言った言葉とは……? その義母の言葉で夫の忠告の意味を理解しました。

義母からの誘い

夫と結婚した当時の話です。結婚して数ヶ月が経ったある日、私の携帯に義母から連絡が入りました。

「良かったら、食事でもしない? 色々話したいことがあるのよ」

優しそうな声でした。

私は少し緊張しながらも、「義母と仲良くなれるチャンスかもしれない」と思い快く約束しました。

夫にその話をすると、夫は即座に言いました。

「あー、行かなくていいよ。放っておいて」

「でも、せっかく誘ってくれたのに……」

「いや、マジで行かない方がいい。いいから、放っておけ」

夫は真剣な顔で言いましたが、私は義母の誘いを無下にできませんでした。

結婚したばかりで、義母との関係を悪くさせたくなかったのです。

「大丈夫だよ。ちょっと話してくるだけだから」

私は、夫の忠告を「考えすぎだよ」と軽く受け流し、夫の実家のある街へ出かけることにしました。

駅で義母と待ち合わせると、義母は笑顔で迎えてくれました。

「来てくれてありがとう。さあ、食事に行きましょ」

「あなたの好きなもので良いわよ。スパゲティ?」

義母はそう言って、パスタ専門店に連れて行ってくれました。

止まらない愚痴

席に着くと、義母はメニューを私に渡しました。

「私はあんまりこういうの好きじゃないのよ。あなたは好きなんでしょ? 何でも好きなもの注文しなさい」

「え? お義母さんはどうされるんですか?」

「私? 私はサラダでいいわ。お腹もあんまり空いてないし」

私は少し申し訳なく思いながら、適当にパスタを注文しました。

料理を待っている間、義母が話し始めました。

「いやあ、腰が痛いんだわ。ここまで歩くのもつらくて」

「そうなんですか。大丈夫ですか?」

「あなたは良いわね、若いから。私なんてもう、あちこちガタが来てて」

「そうなんですね」

義母は、一人でずっと話し続けました。

腰の痛みの話から始まって、膝の痛みの話、最近行った病院や隣の家の人の悪口、親戚の愚痴。

私は相槌を打ちながら聞くしかありませんでした。

料理が来ても、義母の話は止まりません。

「息子(夫)もね、最近冷たいのよ。電話してもすぐ切るし」

「あ、そうなんですね」

「あなた、ちゃんと息子の面倒見てる?」

「え? はい??」

「男の人ってね、放っておくとダメになるから。しっかり管理しなきゃ」

さらには私の身なりにまで口を出してきました。

「あなた口紅つけてるの? 何も化粧してないんじゃないの? 化粧っ気ないのもみっともないから真っ赤な口紅くらいつけなさいよ」

価値観を押し付けられるような言葉に、私はパスタの味も分からなくなるほど困惑し、ひたすら頷いてやり過ごすことしかできませんでした。

結局、食事は2時間に及び、私のパスタはとっくに食べ終わっていましたが、義母の話は終わりません。

「あの、そろそろ私、帰らないといけないので」

「あら、もうこんな時間? じゃあ、お会計しましょうか」