親子のカタチは十人十色……さまざまな事情から一緒に暮らせないケースも少なくありません。筆者の友人・K美は、施設に入所した母親の様子を聞いて、取り返しのつかない気持ちになったそうです。ちょっと哀しいK美のエピソードをご紹介しましょう。
母の認知症
私は夫と2人で都内に住んでいます。
私には兄がいて、家族と一緒に地方の実家で母と同居していました。
父はすでに他界していたため、私は兄が母と一緒に住んでくれることに安心し、あまり顔を出すことはしませんでした。
ある日のこと。
兄から連絡があり「母さんが認知症みたいなんだ」と聞かされました。
単なる物忘れではない、日常生活に支障が出るような言動がたびたび見られるため、検査を受けるというのです。
後日、検査結果を聞くと、アルツハイマー型の認知症であることが判明。
兄から介護について話し合いたいと言われました。
母の入所
当時、私は仕事で重要なポストについていて、地方で暮らすことは不可能でした。
夫も出張が多く、なかなか時間が取れない状況。
兄と義姉、私と夫の4人で話し合った結果、母の希望を優先して、在宅で介護をするということに決まりました。
しばらく経った頃、兄から連絡があり「施設に入所することにした」と言われました。
異食(食べ物ではないものを口に入れてしまうこと)や徘徊が増え、在宅での介護は限界だと判断したとのことでした。兄夫婦がどれほど心身を削って母を支えてくれたか、その時の私は想像しきれていませんでした。