担任との面談で知った“心のすれ違い”
翌日、A子は学校を訪れ、担任の先生と面談をしました。
相手のお子さんへの対応を相談したあと、先生は穏やかな口調でこう話しました。
「Kくん、最近ちょっと自信をなくしているようです。問題を間違えるのを怖がっていて……」
A子はハッとしました。
そういえば最近、宿題に時間がかかる息子に「早くしなさい」と強く言っていたことを思い出したのです。
きっと息子は“できない自分”を責めていたのでしょう。
「ランドセルを投げたのは、怒りじゃなくて、逃げ場のない悔しさだったのかも」そう思うと、A子の胸がぎゅっと締め付けられました。
母子で交わした小さな約束
帰宅後、A子は息子とゆっくり向き合いました。
「ママね、Kくんが悔しかった気持ち、わかるよ。ママも焦らせてしまってごめんね」その一言に、息子の目に涙がにじみました。
「ごめんなさい……ほんとは投げたくなかった」A子は抱きしめながら、「これからは、怒りそうになったら“深呼吸”してみよう。それから、困ったら先生やママを言葉で頼っていいんだよ」と提案しました。
それ以来、息子は感情をぶつけず、言葉で伝える練習を始めたそうです。
子どもの行動の裏には、必ず理由があるんです。叱るより、まず“聞くこと”が大事なんだと気づきました。
怒りの裏にあったのは、小さな心のSOS。
それを受け止められた日、A子も息子も少しだけ大人になったのです。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:池田みのり
SNS運用代行の職を通じて、常にユーザー目線で物事を考える傍ら、子育て世代に役立つ情報の少なさを痛感。育児と仕事に奮闘するママたちに参考になる情報を発信すべく、自らの経験で得たリアルな悲喜こもごもを伝えたいとライター業をスタート。