筆者友人A子の話。寝不足の朝、保育園へ向かうエレベーターで耳にした「夜泣きがなかった」「手がかからない」という他愛ない会話。比べられたわけではないのに、昨夜を必死に乗り越えた自分が否定されたような気持ちになった彼女が、ふと気づいた大切なこととは――
密室で聞こえた、悪気のない言葉
エレベーターの扉が閉まった瞬間の、あの密室感。
重たいまぶたと抱っこ紐の重さ。もうそれだけで、心の余裕はゼロでした。
隣から聞こえてくる、ママ友たちの会話。
「夜泣き? ほとんどなかったかな」「うちの子、手がかからなくて」——
悪気のない、ただの近況報告。
でも、チクリと痛む私の胸……。
勝手に傷つく心
昨夜も何度起きたか、もう数えていません。
抱っこして、授乳して、やっと寝たと思ったらまた泣き声。
朝方にようやく訪れた静寂。
比べられたわけじゃない。
誰も私を責めていない。
それなのに、心だけが勝手に傷ついていく。
「私のやり方が悪いのかな」「愛情が足りないのかな」——
昨夜を必死に乗り切った自分を、否定されたような気持ち。
エレベーターの階数表示だけが、無機質に数字を刻んでいきます。