「始めるのに遅すぎることはない」「人生は何度でもやり直せる」……そう信じていても、いざ新しいステージに進むときには、どうしても不安になってしまうものですよね。今回は、筆者の知人のエピソードをご紹介します。

現実の壁

もちろん、専業主婦が悪いわけではありません。
家事や育児で培った忍耐力や、誰かをサポートする力は、立派な社会的能力だと思っていますし、そこには膨大なスキルが詰まっています。

ただ、一歩外に出ると私は「妻」でも「母」でもなく、資格や免許などの分かりやすい形で自身のスキルを証明するのが難しい50代の女性。

面接で「パソコンは使えますか?」と聞かれ、言葉が出ませんでした。

培った力は本物だけれど

そのとき、私が猛烈に反省したのは、家庭という箱の中にどっぷりと浸かりすぎてしまったこと。

「専業主婦」という看板を外したときの自分を想像できていなかったのです。

細々とでも外の世界と繋がり、自分の名前で呼ばれる場所をひとつでも持っておけば、もう少し自信を持って歩き出せたのかもしれないと痛感しました。

もちろん専業主婦という生き方が悪いわけではありません。
ただ、私自身が自分を見失っていたのです。

自分の名前で生きるための力

その後、幸いにも親戚の紹介で小さな会社の事務員として働けるようになりました。

専業主婦として積み上げた日々は私にとって誇るべき財産。
でも、社会で「自分の名前」で生きる力も同じくらい大切です。

自分の人生を歩けるのは、いつだって自分自身。
何があっても、自分を支える軸は手放さないでいたいものですね。

【体験者:50代・女性会社員、回答時期:2025年12月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。