続けて夫は言いました。
「あんな言い草、俺も腹が立った。でも反論すると母さんは被害者ぶって、きみが悪者にされるだろうから」と。
さらに、夫は私にスマホのボイスレコーダーを見せ、「きみがまた傷つけられないように、ちゃんと証拠を残しておきたかったんだ」と告げました。
夫は沈黙の中で、冷静に“次の一手”を考えていたのです。
最強の味方の登場
そのあと夫は深く息を吐いて、「ちょっと行ってくる。大丈夫、任せて」と言い残し、ひとりで義実家へ戻っていきました。
後から聞いた話では、夫は義母の前で録音を再生し終えると、まっすぐに義母を見てこう告げたそうです。
「これ以上、妻を傷つけるようなことがあれば、家族を守るために距離を置くことになると思う。孫にも会わせられない」
さらに、義母に唯一ハッキリ意見できる義姉にもデータを共有していました。
怒った義姉は、すぐに義実家に乗り込み、義母を厳しく叱ってくれたとのことです。
夫の沈黙は、事なかれ主義ではなく、私を守るための“潜伏”だったのだと知りました。
沈黙の裏にあったもの
この一件以来、私は夫を以前より深く信頼できるようになりました。
夫が黙るとき、それは何も考えていないのではなく、静かに牙を研ぎながら最善の手を探している時間なのだと、今なら分かります。
表にはなかなか出ない強さだけれど、夫は確実に支えてくれている。
その事実が、私にとって何よりの安心になっています。
【体験者:20代・女性主婦、回答時期:2025年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。