娘の言葉で知った真実
ある夜、私は意を決してM子の部屋に入り、隣に座りました。
「困っていることがあったら、ママは味方だからね」と、できるだけ穏やかな声で伝えました。
するとM子はしばらく黙ったまま俯き、やがて涙を浮かべながら話してくれました。からかわれて、給食袋を勝手に隠されていたことを。
嫌だと言えず、毎日探しても見つからず、誰にも言えないまま我慢していたと聞いた瞬間、胸が強く締めつけられました。
どうしてもっと早く気づいてあげられなかったのかという後悔が押し寄せました。
それでも私は、まず話してくれたこと自体が大きな一歩だと感じ、何度も「話してくれてありがとう」と伝えながらM子を抱きしめました。
母として選んだ向き合い方
翌日、私は感情的にならないよう何度も気持ちを整理し、担任の先生に連絡をしました。
「娘が安心して学校生活を送れるように力を貸してほしい」と、母親としての切実な思いを正直に伝えました。
自分の言葉がどこまで届くのか不安もありましたが、黙っている選択だけはしたくなかったのです。
その後、学校側はすぐに対応してくださり、クラスでの指導が行われ、給食袋も無事にM子の手元に戻ってきました。
家に帰ってきたM子が給食袋を差し出した時の、ほっとした表情は今でも忘れられません。
それ以来、少しずつ笑顔が戻り、学校の話もまた聞かせてくれるようになりました。
この経験を通して私は、物の変化や子どもの沈黙は大切なサインだと学びました。
これからも小さな違和感を見逃さず、娘に寄り添い続けたいと強く思っています。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:池田みのり
SNS運用代行の職を通じて、常にユーザー目線で物事を考える傍ら、子育て世代に役立つ情報の少なさを痛感。育児と仕事に奮闘するママたちに参考になる情報を発信すべく、自らの経験で得たリアルな悲喜こもごもを伝えたいとライター業をスタート。