子どもの頃の記憶は、大人になっても残っていることが多いものです。それがあまりにも良くない記憶だと、生活に支障が出ることも……。これは筆者の友人・H香が頭を抱えてしまった夫とのエピソードです。

夫の記憶

あまりの剣幕に圧倒された私は、その日の夜、夫と話し合うことに。
「別にあんなに怒らなくてもいいんじゃない?」と言った私に対し、夫は「いつもそうやってK太ばっかり優先してる」と言い出しました。
私は何だかおかしいと思い、責めるのをやめ、彼の幼少期の話を聞くことにしたのです。
夫が語ったのは、思いがけない内容でした。

義母は成績優秀な義弟を最優先し、夫のことは二の次。何でも後回しにされ続けていたと言うのです。
確かに、夫は実家に帰ることをほとんどしないし、義母から連絡してくることもありません。
夫は意識的に義実家、特に義母との接触を避け、癒えない心の傷を守っていたのだと初めて気づきました。

家族として向き合うために

これまでの夫の言動は、単なるわがままではなく、満たされなかった愛情の裏返しだったのかもしれません。中学生の息子に本気で嫉妬してしまうほど、彼の心は飢えていたのだと思うと、胸が締め付けられる思いでした。

正直、これからどう対応していくのが正解かはまだわかりません。
しかし、親の振る舞いが子どもの人格形成に与える影響の大きさを思い、私は「自分は絶対に、子どもに対して不公平な愛情を注ぐ親にはならない」と強く心に誓いました。

【体験者:40代女性・会社員、回答時期:2025年12月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:RIE.K
国文学科を卒業しOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄、多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。シングルマザーとして子どもを養うために、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。