ママ友の集まりで、やたらと自分の子供を褒めるMさん。「すごいね」「エライね」と反応しつつ、少しひいていた私。しかし、あることをきっかけに、その見え方が大きく変わりました。育児のヒントを学んだ、筆者のエピソードです。

「そこまで褒める?」Mさんの発言

Mさんが話す子供のエピソードには、いつも共通点がありました。人前で、自分の子供をはっきりと褒めるのです。

「クラスで誰もできなかったことを、息子だけができたの」
「先生から“ほかの子の面倒を見てほしい”と頼まれるほどで」

その様子を、ためらいなく語ります。

正直なところ、最初は驚きました。少し身内びいきが過ぎるのでは、と感じたのです。周囲のママたちも、どこか苦笑いを浮かべていました。

価値観が反転した瞬間

ところが後になって、Mさんがアメリカ育ちだと知りました。その瞬間、私の中にあった違和感が、すっとほどけたのです。

日本では「うちの子なんて、全然ダメで」と周りに配慮して謙遜する文化があります。私自身も、それが美徳だと信じて、深く考えずにその言葉を使ってきました。

けれど、その言葉を一番近くで聞いているのは、ほかでもない子供本人です。良かれと思って口にしてきた謙遜が、知らず知らずのうちに自尊心を削っていたのかもしれない。そう気づかされました。

Mさんは、ただ褒めそやすだけではなく、叱るときも一貫していました。人前でも曖昧に流さず、きちんと伝える。その代わり、良いところは思いきり言葉にして届ける。

その姿勢は、甘やかしではなく、一人の人間として真剣に向き合っている証だと感じました。実際、そばで聞いているMさんの息子さんは、満足そうな表情を浮かべているのです。