久しぶりの再会
従弟Bから連絡が入ったのは、初冬の寒い日のことでした。
「今度そっちに出張があるんだ。久しぶりに会えないかな?」
私の住む地方は雪の降る観光地。
そろそろ本格的な冬のシーズンが始まります。
せっかく遠方から来てくれるのだからと、私はBの家族へのお土産に地元で人気の菓子を購入して準備しました。
20時、約束の場所で待ち合わせて近くの居酒屋へ入りました。
Bは上機嫌で、娘さんの進路が決まったと嬉しそうに話してくれました。
「第一志望の大学に合格したんだ。本当に頑張ってくれたよ」
父親としての誇らしげな表情に、私も自分のことのように嬉しくなりました。
不自然な行動と違和感
しかし、乾杯をして30分ほど経った頃から、Bの様子がおかしくなりました。
スマホが鳴るたびに席を立ち、店の外へ出ていきます。
2時間ほどの滞在時間のうち、半分近くは席を外していました。
「仕事の電話かな?」
最初はそう思っていました。
しかし、それ以上に不自然だったのは、Bが私との写真をやたらと撮りたがったことです。
「ちょっと記念に撮ろうよ」
自分のスマホで何枚も撮影し、さらには店員さんまで呼んで2人並んだ写真を撮らせました。
なのに、撮った写真は私に一切送ってきません。
「なぜ?」という小さな疑問が、心の中に残りました。
そして数日後、さらに奇妙なことが起きました。
私とBの共通の親戚が連絡をしてきました。
「Bから聞いたけど、あなた今、深刻な悩みがあってBに相談しているんだって?」と言われたのです。
「え? 相談なんてしてませんけど……?」
私はBに自分や家族の近況報告をしただけで、相談事など一切していません。
どうしてそんな話になっているのか、全く理解できませんでした。
まるで私が何か深刻な問題を抱えているかのような話になっていました。
「まあ、何かの勘違いかもしれない」
そう思おうとしましたが、胸の奥に小さなモヤモヤが残りました。
自分が「悩みを抱えた人」として利用されていることに、恐怖に近い違和感を覚えました。