筆者の体験談です。
結婚を機に、県外へ引っ越す準備をしていた頃のこと。
母の何気ない一言が、私の中に小さな違和感を残しました。

広がる違和感

相手が、日頃からお世話になっているKおじさんだと聞き、譲ること自体に強い抵抗があったわけではありません。
必要としている人が使ってくれるなら、それはそれでいい。
頭ではそう理解できていました。

それでも、胸の奥には言葉にしづらいもやっとした感覚が残ります。
私が買い、私が管理してきた車なのに、いつの間にか「家の持ち物」のように扱われ、行き先まで決まっている……。この状況に、違和感を覚えざるを得ませんでした。

自分の気持ちに気づく

母は善意で、手間を省くつもりだったのだと思います。
私のものは家族のもの、という昔ながらの距離感の中にいる母にとっては、当たり前の感覚だったのでしょう。
でも、その一言を聞いた瞬間「決める前に言ってほしかった」という気持ちが、はっきりと浮かびました。
譲るかどうかではなく、決める順番の問題だったのだと、その瞬間に気づいたのです。

距離の調整

思い返すと、母は悪気なく、私の持ち物の行き先を先に決めてしまうことがあります。
だからこそ「決める前に一言ほしかった」と、自分の境界線を意識しました。

それ以来、大切な物事ほど自分で先に決めてから母に伝えるようにしています。
親子であっても、持ち物や選択には線引きが必要なこともあるのです。
距離を置くのではなく、お互いの自律を守るために関わり方を少し整える。その小さな意識が、今の私にはちょうどいい形でした。

【体験者:50代女性・筆者、回答時期:2025年12月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。