筆者の話です。
ある朝、洗面所に残された夫のスラックスを見て、私は言葉を失いました。
だらしなさや片付けられない違和感が、静かに胸に残ります。

慌てて消臭剤をかけ、アイロンを当てる私の横で、夫は不思議そうな顔をしています。
そして、悪びれる様子もなく「スラックスって、朝起きたら勝手に吊られてるもんだと思ってた」と言いました。
「そんなことある?」と心の中で突っ込みながら、「誰かがやってくれている」という意識の差を、はっきり自覚したのです。

当たり前の差

誰かが整えている前提で回っている日常を、その朝、初めて意識したのかもしれません。
それでも、私の無言のアイロンがけに何かを感じたのか、その日を境に、夫は自分でスラックスをハンガーにかけるようになりました。
洗面所に残った“抜け殻”は、わが家の当たり前を少しだけ見直すきっかけになったのです。

【体験者:50代女性・筆者、回答時期:2025年12月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。