皆さんは、子供の頃に「自分はこうはなりたくない」と感じた大人の言動はありますか。実際に逆の立場になってみると、気付かぬうちに同じことをしてしまっているなんてことも。今回は筆者の元同僚Y子が体験した、親になるとついついやってしまう行動に関するエピソードをお届けします。

帰省中に自分の発言にハッ!

そんなある日、5歳の息子K太を連れて実家に帰省しました。実家の近くの公園で遊んでいたところ、大きな遊具にK太が触れた瞬間、Y子の母から「危ないよ! やめときなさい!」と大きな声が聞こえました。すると、考えるより先に「手を挟んだり、転んだら大変でしょ」とY子の口からも制止する言葉が飛び出していました。

その直後、Y子は自分の発言にハッとしました。
周りでは遊んでいる子供たちがたくさんいるのに、K太はなぜそんなことを言われたのかわかっていない様子。Y子は強い既視感に襲われました。「これ、昔の私と母の会話と同じだ」

改めて振り返ると、最近の自分は「それは危ない」「失敗するよ」「やめた方がいい」「これにしなさい」そんな言葉を、無意識に息子に投げかけていたことに気付きました。

守りたい気持ち、心配な気持ち。その根っこは、かつて母が自分に向けていたものと同じだったのです。「私、結局お母さんと同じことしてる……」そう呟くY子に、母は少し照れたように笑い、「親になると、どうしてもね」と一言。その言葉に、かつての窮屈だった思いが、母なりの愛情だったのだと少しだけ消化できた気がしました。

親だって最初から完璧でいられるわけではありません。試行錯誤の末、自分のスタイルを作って行くのです。“自分がされて嫌だったこと”を自分の子供にも繰り返していると気付いたY子は、この日の出来事をきっかけに、息子の挑戦する気持ちを応援し、一歩後ろから見守ることを心がけるようにしているとか。

親の姿は子に投影され、親もまた自分の中に親の面影を見出すもの。そんなことを考えさせられるエピソードでした。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Miwa.S
事務員としてのキャリアを積みながら、ライター活動をスタート。持ち前の聞き上手を活かし、職場の同僚や友人などから、嫁姑・ママ友トラブルなどのリアルなエピソードを多数収集し、その声を中心にコラムを執筆。 新たなスキルを身につけ、読者に共感と気づきを届けたいという思いで、日々精力的に情報を発信している。栄養士の資格を活かして、食に関する記事を執筆することも。