筆者の知人Aさんは、最近母親を亡くしました。そんなAさんは母親が亡くなって、最も恋しく思ったもの。それは母の味です。Aさんが今後悔しているのは、かけがえのないはずの母の味をないがしろにしていた時期があること。Aさんの体験を通じて、私たちが日常の中でつい見失いがちな「親の愛情」について考えてみましょう。

母が亡くなり思うこと

50代のAさんは最近、母を亡くしました。急病でのお別れだったため、Aさんは心にぽっかりと穴が開いたように落ち込んでしまいました。

母を見送り、身のまわりのことが少し落ち着いた頃、Aさんが最も恋しく思うのが母が作ってくれた料理の数々でした。

「もうあの味は、二度と食べられないんだ」

そう思うと、言いようのない寂しさと同時に、Aさんの中には後悔の念も湧き上がってきます。

美味しい母の料理を拒んでいた過去

Aさんは幼い頃から、母の作る美味しい料理が大好きでした。母もまた、美味しそうに食べるAさんの姿を見るのが何よりの楽しみだったようです。

しかし、大学入学を機にAさんはダイエットを決意しました。自分のスタイルを管理したいという思いから、母が作るボリュームのある料理を避け、自分で用意したメニューのみを食べるようになりました。

美味しい料理を食べさせるのが生きがいだった母は、「少しだけでも食べなさい」とAさんの分も料理を作り続けてくれていました。

ですが、当時のAさんは「せっかくダイエットしているのに、余計なことをしないで」と母の厚意を冷たい態度で跳ね除けてしまったのです。