義妹の要求に……
そして週末。
「これ、言われていた服です」
Sさんがお姑さんにもらった服を返すと、義実家の奥からどうやら遊びに来ていたらしい義妹が顔を出しました。
「あー、ついでにこの服とこの服も欲しかったんだけど。普通さあ、もらった服だけじゃなくて他のおさがりも持ってくるもんじゃないの?」
とSさんがアップしていた共有アルバムに写っている娘の服を指さして義妹が言いました。
しかしその服はお姑さんが買ってくれた服ではなく、Sさんの母や兄弟が買ってくれた高級ブランド子ども服ばかり。
どうやら義妹はこのブランド子ども服欲しさに、お姑さんに「服を返してって言って」と頼んだようでした。
「この服は下の子が生まれたときのためにとっておきたいんです」
義妹が欲しがった服はSさんにとって思い入れのある服でもありますし、2人目も予定しているのできっぱりと断りました。
「何それ、まだできてもいない子のためにおいておきたいなんて。Sさんって案外ケチなのね!」
「そうよSさん、△△ちゃんに着せた方が服も喜ぶわよ。ケチケチしないで早く持ってきて」
さんざんお姑さんと義妹にケチ呼ばわりされたSさんは、とうとう我慢の限界を迎えました。
「一度いただいたものを返せと言ったり、人の持ち物を無理やり欲しがったりする方が、よっぽど失礼じゃないですか?」
そう言って旦那さんと娘を連れて義実家を出ました。その後、共有アルバムの公開範囲を見直し、お姑さんや義妹とは付かず離れずの適切な距離を置くことにしたそうです。
その後Sさんはめでたく2人目を妊娠・出産。お姑さんから服を買ってあげると言われましたが、「また返せと言われても困りますので」と言って丁寧にお断りしているとのことです。
サイズアウトしているからといって、すべての服をおさがりであげたいわけではないですよね。「おさがり」はあくまで譲る側の善意があってこそ。大事な服は大事な我が子に着せたいと思うのは当然ではないでしょうか。大切な思い出の詰まった服を守るために、時には毅然とした態度でNOと言う勇気も必要かもしれません。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年11月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。