どんなに活発で手を焼くことがあっても、可愛い我が子達。それでも、やっぱり心配事は尽きないものです。
そんなお話を、筆者の知人A子さんが教えてくれました。

いつか、愛に気付いてくれますように

小学生から中学生の時の兄は、今の弟以上に周囲を困らせる言動が目立っていました。
思春期ゆえの衝動を抑えきれず、周囲への配慮が欠けてしまう場面も多くあり、反抗期の真っ只中を全力で突き進んでいたのです。その都度A子さんは色んな人に頭を何度も下げ、何度も何度も叱りましたが、兄は聞く耳持たず。

今でこそ落ち着いていますが、当時は自分自身の感情のやり場に悩み、多くの課題を抱えた子だったのでした。

「自分の過去の行いを反省して、後悔する時がくる」
と、兄は自身の経験を踏まえて弟に言ってくれますが、弟はいまいちピンとこないのでしょう。
そんな弟にため息をつく兄ですが、

「言っても言っても分かってもらえんよね。お母さんも同じだったから分かるわ」

と、A子さんは思わず言ってしまいました。

「本当に、昔の俺とそっくりやな」

兄と顔を見合わせて笑いながら、A子さんの心は温かくなりました。
あんなに周囲を困らせていた兄が、今では周りに感謝をし、人のありがたさや尊さを語り、弟の将来を案じる立派な大学生になっているということ。
そして、かつて同じような葛藤を抱えていた兄だからこそ、弟の気持ちが分かるということ。

今は目が離せない弟も、いつか兄の言葉に込められた愛に気づいてくれますように。目の前で真っ直ぐに成長してくれた兄の姿が、何よりの証拠。A子さんはそう信じて、今日も息子たちを見守っています。

【体験者:30代_女性ОL、回答時期:2025年12月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Yuki.K
飲み歩きが趣味の元キャバ嬢。そのキャリアで培った人間観察力でコラムを執筆中。すっと人の懐に入ることができる天然人たらしが武器。そのせいか、人から重い話を打ち明けられやすい。キャバクラ勤務後は、医療従事者として活躍していたが出産を機に退職。現在はこれまでの経験で得た人間関係を取材に生かし、主に女性の人生の機微を記事にするママライター。