筆者友人A子の話です。
「俺、結構手伝ってるよな?」
そう胸を張る夫が、ある夜トイレで青ざめることになり……?
トイレットペーパーは勝手に補充されません。“名もなき家事”をなめきっていた夫が、身をもって学び、我が家の平穏を取り戻すまでの小さな闘争記です。

「俺、結構やってるよな?」その自信はどこから来た

夫は、なぜか家事に関してだけ自己評価が高いタイプでした。
「俺、結構手伝ってるよな?」
そう言いながら、実際にやっているのは、まとまったゴミを出すくらい。

洗剤の詰め替え、麦茶作り、トイレットペーパーの補充。
生活を回すための細々した作業は、すべて私任せ。それでも夫は、「家事なんて簡単でしょ」と軽く言ってのけました。何度も「見えない家事の大変さ」を伝えましたが、なかなか響かない日々。

その一言で、私の中の何かが静かに切れたのです。

家出しない、怒鳴らない。“何もしない”を選んだ妻

選んだのは、大げんかでも家出でもありません。
私が決行したのは、“名もなき家事ストライキ”。

裏返しの靴下は、そのまま洗濯機へ。
空っぽになった麦茶ポットは、堂々と冷蔵庫に戻す。
洗剤が切れても、補充しない。

何も言わず、何もしない。ただ、今まで自分が先回りしてやっていたことをやめただけです。
夫は最初、まったく気づきませんでした。気づいても、「まあいいか」とスルー。
名もなき家事とは、それほどまでに「透明な存在」なのです。