子どもには幸せになってほしい……これは親であれば誰もが思う気持ちではないでしょうか? しかし、自分の価値観に拘ってしまうことで、子どもにとっての幸せではなくなることもあるようです。筆者の情けないエピソードをご紹介しましょう。

孫の運動会

ある秋のこと。
いきなりLINEでRから連絡があり、子どもの運動会があるから良かったら見に来ないかと誘われました。
突然のことで戸惑いましたが、私は意を決して行くことにしたのです。

当日、Rには新たに2人の子どもが生まれていることがわかりました。
Rと話をしたところ「自分が親になっていろいろ理解できることもあった」とのこと。
家族のために仕事も変え、だいぶ苦労しているようでしたが「毎日、家の中は戦争だよ」と笑うRを見て、彼が自分で選んだ場所で必死に幸せを築いているのだと分かり、ホッとしたような気持ちになりました。

価値観の押し付け

私は自分の価値観だけでRの結婚に反対していましたが、ここにきてようやくRなりに相手の女性や子どもたちを幸せにする覚悟をいろいろ考えた結果だったんだろうと思えるようになりました。

親は子どもに幸せになってもらいたいがために、進路や将来について口を挟んでしまいます。
それは悪いことではないのですが、子どもにきちんとした意思がある場合は、一人の大人として尊重して信じてあげることも大切なんだと気付かされました。

子どもは親の所有物ではないんですよね。
どうしても親の価値観を押し付けてしまいがちですが、今回Rは「僕は僕の人生を生きる」と言いたかったのでしょう。

Rは未だにあまり連絡をしてきませんが「便りがないのは元気の知らせ」と思うようにしています。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2025年12月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:RIE.K
国文学科を卒業しOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄、多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。シングルマザーとして子どもを養うために、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。