知人から聞いたエピソードを紹介します。
行き渋るように
その翌日から、息子は保育園に行き渋るようになりました。
「A君に叩かれるから、もう行きたくない!」
そう泣き叫ぶ息子の姿に、私も胸が締め付けられました。
ただ私は、「子ども同士のトラブルには、親が出て行かないほうがいいらしいし、子ども自身もケンカを経験して大きくなっていくもの」と考えていました。
そのうえ園の方針として「加害者側の保護者には、トラブルについて報告しない(当人同士での解決を促す)」となっていることを知っていました。
「大きなけがをした訳ではない。私から大ごとにしないほうがいい」と、A君のママには何も言わないつもりでした。それが「大人の対応」だと思っていたのです。
心のモヤモヤ
A君のママとは、毎朝会います。
それまでは何も考えず、笑顔で挨拶を交わしていました。
ですが、息子がA君とのトラブルをきっかけに行き渋るようになってから、私は無意識のうちにA君のママへ敵意を感じていることに気づきました。
彼女に「おはよー!」と返す笑顔も、ひきつっていると自覚。
理性では「こういう経験を通して子どもは成長していく」という考えは変わっていないのですが、傷ついた息子を目の前にすると、その考えに感情がついて行ってくれないのです。
もしかしたら、母親とはそういうものなのかもしれません。
我が子が傷つくと、理性より感情が先だってしまう──。
相手を責めたいわけではなく、ただ、息子の痛みに寄り添いきれていなかった自分に戸惑っているのだと思います。
自分が突然抱えた心のモヤモヤをどうしたらいいのか、正解は見つかりませんが、今は逃げずに、この感情と向き合ってみようと思っています。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Junko.A
子育てに奮闘しながら、フリーランスのライターとして活躍中。地方移住や結婚、スナックの仕事、そして3人の子育てと、さまざまな経験を通じて得た知見をライティングに活かしている。文章を書くことがもともと好きで、3人目の子どもを出産後に、ライターの仕事をスタート。自身の体験談や家族、ママ友からのエピソードを元に、姑に関するテーマを得意としている。また、フリーランスを目指す方へ向けた情報ブログを運営中。