友人との何気ない会話で、ふと口にした「今の子たちは」という一言。
その瞬間、胸の奥に小さな引っかかりが残りました。
よみがえる記憶
その言葉を口にした直後も、会話自体は何事もなく続いていました。
けれど、私の中だけ、ほんの一瞬、時間が止まったような感覚がありました。
昔、大人たちから「今の子は恵まれている」「昔とは違う」と言われるたび、なぜか胸の奥がざわついていたことを思い出したのです。
反発するほど強い感情ではないけれど、自分たちが一段下に置かれたような、説明しづらい居心地の悪さがありました。
立場の変化
「気づいたら、同じ言葉を使ってるな」
そう心の中でつぶやいた瞬間、胸の奥が静かにざわつきました。
誰かを責めたいわけでも、比べたいわけでもありません。
ただ、その場の流れで、自然と口から出ただけの一言でした。
それでも、その言葉が出てきたという事実が、自分の立つ位置が変わっていることをはっきりと示している気がしたのです。
流れる時間
言う側になったから偉くなったわけでも、言われる側だった頃が間違っていたわけでもありません。
ただ、時間が流れ、立つ場所が少しずつ移り変わってきただけ。
あの頃の自分も、今の自分も、どちらもその時代を一生懸命生きていました。
「時代はちゃんと流れてきたんだな」
そう思えたことで、過去の自分にも、今の自分にも、少しだけやさしくなれた出来事でした。
同じ言葉を使ってしまった自分を、責めずに受け止められたのも、そのおかげかもしれません。
【体験者:50代女性・筆者、回答時期:2025年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。