親子だからこそ、些細なことで衝突してしまう時期ってありますよね。特に思春期の頃、ファッションやメイクを巡って親と喧嘩をした経験がある方もいるのではないでしょうか。今回は、筆者の友人が父親とのエピソードを聞かせてくれました。
派手なメイクを巡る父との衝突
高校時代の私は、覚えたばかりのメイクに夢中でした。
でも、父はそれが大嫌い。
「顔に泥を塗ってるみたいだ」「学生らしくない」
と、毎日のように小言を言われたものです。
昔気質で厳しい父に、玄関でメイク落としシートを渡され、その場でメイクを落とさざるを得なかったことも一度や二度ではありません。
当時の私は、「なんで分かってくれないの!」と反発するばかり。
父の言葉は、ただの押し付けにしか聞こえませんでした。
認知症になった父との面会
それから20年。
今、父は認知症を患い、介護施設で暮らしています。
面会に行っても、私を娘だと分かる日もあれば、そうでない日もあります。
それでも私は、無意識に「ちゃんとした姿を見せなきゃ」と思い、しっかりメイクをして行っていました。
でも、父の反応はいつも薄く、どこか他人行儀。
記憶の中の娘と、目の前の私が、うまく結びついていないようでした。