親の影響というのは、自分が思っている以上に大きいものです。特に母親の背中は、自分が母になった時、無意識のうちに「理想の母親像」として立ちはだかることがありますよね。今回は、筆者の友人の体験談をご紹介します。

すると母は、柔らかい口調で「いいわねえ、このくらい適当で」と言ったのです。

子どもの頃の母のイメージとあまりにもかけ離れた発言に、一瞬「もしかして嫌味?」と思って顔を上げると、母は穏やかに笑っていました。

「私ね、頑張りすぎちゃってたのよ。もっと力を抜いて、あなたと遊べばよかった。だから、あなたはこれでいいのよ」

呪縛からの解放と、私らしい子育て

その言葉で、胸の奥のつかえが一気に溶けたような気がしました。

あの頃の完璧さは、母自身を縛り付けていた鎖でもあったのかもしれません。
「母の真似をしなくても、私は私のやり方でいいんだ」
そう思えた瞬間、母からの呪縛が解け、初めて母を「完璧な母親」ではなく、ひとりの悩み多き女性として見ることができました。

適当なくらいがちょうどいい。
今は胸を張って、散らかった部屋で子どもと笑い合っています。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2025年12月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。