毎年恒例のイルミネーション装飾に追われる、筆者の友人Hさん。気が重い作業の中でしたが、思わぬ“助っ人”が現れたことで、心がふっとほどける瞬間が訪れました。その年のイルミネーションはいつもより少しだけ輝いて見えたそうです。
無言で現れた“助っ人”
そんなある年、いつものように脚立に足をかけた瞬間、不意に横からスッと中学生の息子が現れました。
そのまま無言で脚立を登り始め、黙々と電球を飾りつけ、一気に作業を終わらせてしまったのです。
反抗期の真っ只中で、ふだんはほとんど口もきかない息子。
「ありがとう」と声をかけると、何も言わず、少し照れた様子で自室へ戻っていきました。
たくましさのバトン
あの年のイルミネーションは、いつもより少しだけ明るく見えました。
「たくましいのは、私じゃなくて息子だったんだな」
そう気づいた瞬間、胸の奥がじんわり温かくなったのです。
毎年嫌々続けてきた作業なのに、息子の成長を感じられた今年は、誇らしい気持ちでイルミネーションを眺めました。
【体験者:50代・女性会社員 回答時期:2025年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒヤリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:大下ユウ
歯科衛生士として長年活躍後、一般事務、そして子育てを経て再び歯科衛生士に復帰。その後、自身の経験を活かし、対人関係の仕事とは真逆の在宅ワークであるWebライターに挑戦。現在は、歯科・医療関係、占い、子育て、料理といった幅広いジャンルで、自身の経験や家族・友人へのヒアリングを通して、読者の心に響く記事を執筆中。