ふと浮かんだ考え「これが助けになるかもしれない」
ある日、本屋で“日記の書き方”の特集本が目にとまりました。
何気なくページをめくっているうちに、「娘に日記を渡したら、気持ちを整理する助けになるかもしれない」とひらめいたのです。
彼女は自分でも、なぜ心が落ち着かないのか言葉にできず、もどかしさを抱えているようでした。それなら、書くことで気持ちを外に出せたら、少しは楽になるのではないか、──そう考えたのです。
すぐに可愛らしい日記帳を選び、その日のうちにプレゼントしました。
日記帳を受けとるも……
娘はキョトンとした顔で、間をおき何も言いません。正直、手応えはありませんでした。
「響かなかったかな」
それから特に変化もなく、日記のことは私の中でも次第に薄れていきました。ところが、二週間ほどたったある日、娘が何気ない様子でポツリと言ったのです。
「3行だけだけど……、毎日書いてるよ」
夕方に訪れた小さな変化──
いつもは気持ちが沈みやすい夕方の時間。その頃から娘は、ほんの短い時間でも机に向かうようになりました。
文字の量や出来栄えは関係ありません。彼女に必要だったのは「気持ちを置く場所」を持つことだったのです。
感情が揺れてしまう日があっても、自分なりの「落ち着くきっかけ」を見つけたことで、少しずつ立て直せるようになりました。娘にとっては、【日記】が心をそっと休ませる大切な居場所になっているようでした。
あのとき本屋で手にとった一冊が、ここまで娘の毎日を支える存在になるとは思っていませんでした。
今はただ、日記帳に出会えたことをありがたく感じています。
【体験者:50代女性・主婦、回答時期:2025年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:大空琉菜
受付職を経て、出産を機に「子どもをそばで見守りながら働ける仕事」を模索しライターに転身。 暮らしや思考の整理に関するKindle書籍を4冊出版し、Amazon新着ランキング累計21部門で1位に輝く実績を持つ。 取材や自身の経験をもとに、読者に「自分にもできそう」と前向きになれる記事を執筆。 得意分野は、片づけ、ライフスタイル、子育て、メンタルケアなど。Xでも情報発信中。