筆者の話です。
父が旅先に求める「魚の美味しさ」に、いつも首をかしげていました。
けれど旅の途中で聞いた【ある一言】が、父の本音をそっと浮かび上がらせて──。
父が旅先に求める「魚の美味しさ」に、いつも首をかしげていました。
けれど旅の途中で聞いた【ある一言】が、父の本音をそっと浮かび上がらせて──。
一言の重み
そのとき、父がぽつりと言いました。
「んー……いつもの味と変わらんなあ」
その一言を聞いた瞬間、胸の中で点と点がつながりました。
父は、旅先では「いつも以上の美味しさ」に出会えると信じていたのだと思います。
ところが実際は、家で食べている魚と同じ味がした──それほど、日常の魚のレベルが高かったのです。
旅先の料理が悪いのではなく、私たちが育った環境そのものが、すでに特別だったのだと気づきました。
島の恵み
都会の人が感動するレベルの魚を、私たちは当たり前に食べて育ってきました。
両親自身も、その特別さに気づかないほど日常になっていたのだと思います。
旅から戻り、父が釣った魚を夕食に並べたとき「釣りたてって、本当はすごいんだよね」と静かに実感しました。
島を離れて暮らすようになった今だからこそ、あの豊かさに気づけたのだと、あらためてしみじみ感じた出来事です。
【体験者:50代女性・筆者、回答時期:2025年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています
FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。