いらなくなった子ども服、あなたならどうしますか。通りかかった家の前で見つけた「ご自由にお取りください」。その後に続いた思いがけない光景に、筆者が心を温められた体験談です。
住宅街で目に留まった、小さなレジャーシート
買い物の途中、住宅街を抜ける道を歩いていました。すると、植木鉢が並ぶ可愛らしいお宅の前で、小さなレジャーシートが広げられているのが目に入りました。
「おや?」と思わず足が止まり視線を向けると、女の子用のカバンやブラウス、アクセサリーがきれいに並べられています。どれも丁寧に扱われてきたことが分かる状態でした。
手前には「ご自由にお取りください」と書かれたメッセージカード。柔らかい字で美しく書かれている──きっと、娘さんの母親が書いたのだろう、と思いました。
置いた人の思いに、ふと心が向いた瞬間
うちの子が使えるサイズではないのに、なぜかその場から離れがたい気持ちになりました。
「どんな思いで、ここに並べたんだろう」
置いた人の気持ちが自然と浮かんできたのです。
フリマアプリで売ればお小遣いになるし、知り合いに譲ればその場で喜んでもらえます。それでも、通りすがりの誰かに使ってほしいと考える人がいる。
洋服やアクセサリーを眺めながら、娘さんが大切にしてきたものを、必要な人に手渡す優しさを感じました。